2019年5月にドローンのDJI Mavic Proが故障しました。墜落したわけでもなく自然に壊れたという感じ。
カメラの動きを制御するジンバルが馬鹿になって電源を入れると上を向いたり右を向いたり、とにかく、そこそこ大きな音(カタカタ音)がして、カメラの角度が大きく暴れます。そのまま飛ばすことができないわけではないのですが、カメラの向きがとんでもない方向を向いているので肉眼でドローンの位置を見失うとどこを飛んでいるのか全く分からなくなります。録画もうまくいかないので飛ばす意味もなくなる。
まだジンバルのシールも張ったままだったので剥いで見ましたが何の変化もありません。
タブレットのモニター画面には「ジンバルモーター過負荷。ジンバルクランプが外されているか確認してください。」と表示されています。もちろんジンバルクランプは外しています。
ネットでいろいろ調べていると「ジンバルオーバーロード」で症状が出ているようです。この機体でもそのように表示された場面もありました。
何とか簡単な修理方法、解決がないだろうかと探していましたら、機体を右に傾けた状態で電源を入れると改善するという記事を見つけて実行したらとりあえずエラーが出ずに飛ばすことができましたが、帰ってくるまでにまたもや画像が乱れたりカメラの角度が暴れたりで、根本的な解決には至りませんでした。Go Homeも正確でありません。
この症状と似た故障の場合、ググってみると、修理代金が20,000円~25,000円程度の費用で修理できそうでした。
修理内容をよくよく調べてみるとジンバルのフラットケーブルが断線していることがあるとのこと、これを交換したら直るのか?
細かな線と接続端子のなんと精密に作られているか。DJIの設計はすごいのか、又は故障するのでダメなのかと考えてしまいます。正常に作動するときのこのドローンの性能は素晴らしいものだと今も思っています。
このケーブルをAmazonで購入しましたが、商品名は
「Rantow DJI Mavic ProジンバルカメラPCBリペアケーブル用フレキシブルジンバルフラットPCBリボンケーブル」
というもので、価格は1,099円、安い!間違っても惜しくない金額です。割引があって1,044円だったかな。
YouTubeでケーブル交換作業をしている動画を見ながらいよいよケーブル交換作業開始。(英語のものしか見つけられなかったけど数回視聴で見切り発車)
視力に自信がないのでできる範囲めいっぱい作業が見えるようにこのように工夫しました。
LEDの1mくらいの流し元灯に使っているものをドローンの真上高さ26cmに設置し、ずっと昔購入していたクリップ式の拡大鏡も困ったときに使ってみました。この写真は修理完了したときのもの。
まず、六角レンチの一番小さいサイズのもので上下の12か所(だったと思う)のねじを外し、機体上部のカバーを外します。
ドローンの中はこんなになっています。
ジンバルカメラにつながっている4か所のフラットケーブルの端子を外します。
左側の白黒のケーブル端子も外す。
その後4か所のプラスねじを外し、カメラを下に脱落しました。
カメラとジンバルの上についている基板。
細かい端子が整然と配置されていますがこれの一つでも接触不良を起こすと故障するんでしょうね。
基盤と金属のジンバル台のあいだに輪ゴムのような黒いゴムがあってこれがクッションの役目をしていますが、この輪ゴムは外さなくても作業ができました。ピンセットを準備していましたが、この場面では必要ありませんでした。(難しくて外せない、ゴムを痛めてしまいそう)
2本のプラスねじで固定されているのでこれを外せば下の写真のようになります。
ジンバル台とジンバルカメラを切り離した状態になりました。
QRコードのようなものを張り付けているのが交換予定のフラットケーブル、その他にも束にされた細いケーブルが見えます。この二つのケーブルを二つ上の写真の場面で外しています。
ジンバルのカバーを一つづつ外します。100円ショップで以前購入していた小さめのドライバーで外すことができました。
テープでフラットケーブルを固定していたので、このテープはもう一度使うことにしました。
フラットケーブルの取り回しが非常に難しい!いろいろなところが両面テープで固定されているので無理やりはがしました。この状態を記録しておこうと写真に撮りましたが、それでも取り回しが難しくて交換したケーブルが所定の位置に配置されているのか自信なし。
新しいケーブルを取り付けてジンバルケーブルカバーを仮付け。
左に置いているのがQRコードが付いた元のケーブル。
何とかここまで来たので写真を一枚。
ケーブル取り回しがしっくりこないけど端子台に差し込むことができた。ケーブルに添付していた両面テープはすぐはがれるが、カバー等をねじ止めするので仮付けのようなもの。
ジンバルカメラをジンバル台に固定した。ジンバルを指で動かしてみると何とか巻き込むこともなく動いている。でも、何か違う感じがするけど、もうこれで動けばあとは耐久性の問題。
後は元のように組み立てて電源投入。
やったー、故障していた時のようにカタカタ音がしません。
カメラが暴れることもなく正面を向いています。これが正常なんですよね。
まだ午後6時過ぎで外は明るいので早速試験飛行。
すごいぞすごいぞ、今回は久しぶりに正常飛行できます。画面もブレず、カメラが違う方向に向くこともありません。
今回のジンバルフラットケーブル交換作業時間は2時間30分という感じでした。同じ症状の方挑戦してみる価値はありますよ。
これが交換した機体についていたフラットリボンケーブル。どこが断線してるのわかりませんがどこか断線してるのでしょうね。
結局この作業をしようと思ったのは、
①ソフト(ファームウエア)が壊れているとは思えない。
②ジンバルのモーターは動いているのでモーターが壊れたのではない。
③Amazonに同じようなMavic Pro用のジンバル用フラットケーブルがたくさん販売されている。需要がある証拠だ。
④YouTubeにたくさんのジンバルケーブル交換の手順の動画がある。(ほとんど外国の人だけど)
以上のようなことを検討した結果この難解なケーブル交換作業を行いました。
最悪の場合はカメラとケーブルセットものも販売されているので価格は高いけど、もう一度挑戦できると思ったからです。
このケーブルは常に動くので消耗品だと思ったほうがいいようです。
また修理することもあると思うので、自分で忘れないようにここに書き込みました。
使った工具はこのようなものですが、必ず必要なものは六角レンチと左端の小型の赤いプラスドライバー、私には100円の老眼鏡が必須。
ミニドライバーセットも用意しましたが端子を外すときと、はめ込むときに抑えるのに使いました。(ねじを回すのには使えない)
オレンジ色の道具もあれば便利だけど、なくてもできると思う。
拡大鏡があれば私のように目が悪い人も安心。それと、明るい場所がいいですね。
以上のことで20,000円程度の節約ができたのと、ドローンのこと少し理解が進んだのかな。
動画を編集してYouTubeにアップロードしたのでご覧ください。